朝の気温が低いので今日もまだ秋冬物スーツを着て行く。明日も多分同じだろう。
晩飯はなか卯。昨日から牛丼が和風牛丼に変わっているので、どんなのか食べて見る。牛丼・小うどんセット、それと唐あげを食べる。唐あげは、4月に貰ったお得クーポンがまだあって有効期間が明日の午後8時までなので使っておこうと、その無料券で。
すき焼き風にしたというけど、そんなに味が変わったふうには思えなかった。しらたきは見た目には目立つが、味覚的にはあまりインパクトは感じなかった。味としては少しあっさり目になったと感じた。なか卯の牛丼がこれまでのしいたけを載せて甘みを出す形になったのは、BSE騒動で消えた牛丼が復活したとき。和風牛丼の具にもしいたけはあるが、味全体としてはBSE以前のあっさり目の味のほうへ少し戻ったようだ。自分としてはその頃のあっさり目の味が好きだったので、和風牛丼の味はまあいいかと思えるほう。
帰ってから「スタートレックベストエピソードコレクション」のDVDを見る。
一昨日が発売日で駅前の本屋へ行ったら、これまで3冊入荷していたのが今回から1冊になったということで売り切れていて買えなかった。それで昨日、都内の大きな本屋へ寄って買う。本屋で入荷数を減らすというのはそれだけ売れていないということなのだろう。
見たエピソードは「スタートレック・ディープスペースナイン」の149話「The Sound of Her Voice」(邦題:待っている女)。スタートレック全シリーズの中でも自分が一番好きなエピソード。
宇宙ステーションディープスペースナインのクルーたちが宇宙艦ディファイアントで船団護衛任務を終えて帰る途中、救難信号をキャッチした。深宇宙探査の任務から帰る途中の宇宙艦が珍しい現象を起こしている惑星を発見して調査しようとしたところ、現象の影響で遭難し、生き残ったのは女性艦長ただ1人。人間の生存に適さない星にただ1人取り残された艦長を音声のみの通信で励ましつつ、数日をかけてその惑星にたどり着くが、そこに待っていたものは...という話。
SFものというと、戦いなどの派手なアクションがある作品が目立つので、どれもそうしたものだという誤解が世の中にはある。スタートレックも劇場映画版はウリとなる部分がないといけないためか、確かに大掛かりなアクションシーンを含んでいる。
だけど、テレビシリーズは1本だけの映画のように特撮に大きな予算を割けないので、確かに要所要所で敵対する勢力との戦いのエピソードはあるが、それ以外はむしろ登場人物たちが繰り広げるドラマが中心になる。みんなで力をあわせて問題を解決したり、困難を克服したりする集団ドラマ、特定の登場人物の過去にまつわる話、社会のマイノリティーの問題をSFを借りて描く話、登場人物の家族を描くホームドラマ、ドクターやエンジニアが仕事で遭遇する事件を描く職場ドラマ、ミステリー、法廷劇、殺人やいろいろな事件を解決していく刑事・探偵ドラマ等々、バラエティに富むエピソードからなるのがテレビシリーズのスタートレックだ。
特撮映像に無制限に予算を費やすことができないので、スタートレックがとった方法はこうしたさまざまなエピソードで登場人物の会話を中心に物語を進めること。そのために
「スタートレックは会話劇」
といわれるほどになっている。そして「The Sound of Her Voice」は会話劇でも最高傑作だと思う。顔の見えない相手と会話をしていくことだけで物語を作ってしまうのだから。(もっとも、宇宙ステーションに残ったメンバーが繰り広げる物語がサブエピソードとして並行して描かれているのだが。)
ただ、文句を言えば邦題はもうちょっと何とかならなかったかと思う。「The Sound of Her Voice」を直訳すれば「彼女の声の音」で日本語だと何のことか分からないが、だからといって「待っている女」だとまるでメロドラマみたいだ。
初めて見たとき、「待っている女」と聞いて頭に浮かんだのは小学生のときに見たアニメの1エピソード。昭和44年から45年(1969年から1970年)の自分が3年生から4年生ごろにやっていた赤塚不二夫原作のギャグアニメ「もーれつア太郎」。
その1エピソードに、毎日かあるいは毎週一度、決まった時間に、橋の上で再開の約束をした恋人を待っている女性が出てくる話があった。その女性はマチコさんといった。台本上はカタカナかひらがなか漢字で表記されていたのかは知らないから、とりあえずカタカナで書いておくことにする。確かそのとき、いつも待っている女性だから「待ち子さん」だと思ったのだった。そんな名前の女性なんか実際にいるわけもないが、小学校3年か4年の子供の考えることだ。
「もーれつア太郎」にはニャロメという有名なキャラクターがいる。ネコだけどギャグアニメの世界だから人間の言葉を話すネコ。そしてやたらと女性が好きで美女(ニャロメのセリフでは「かわい子ちゃん」)を見ると一目惚れし、
「俺と結婚しろニャロメ!幸せにするニャロメ!」
と叫ぶ。(「幸せに」の部分はアニメでは「しゃーわせに」としか聞こえない。)
このニャロメが恋人を待つマチコさんに横恋慕してしまうという話だった。しかし最後はマチコさんが待っていた恋人が現れニャロメは失恋してしまうのだが。サブタイトルは「ニャロメの恋狂い」ではなかったかと思う。
これが何かのメロドラマのパロディだというのは当時から分かっていた。いや、小学校の3年や4年の頃は「パロディ」という言葉も知らなかったが、他の作品のまねごとをして笑わせるものがあるというのは分かっていた。「もーれつア太郎」だと、他には同じ時期に放映されていた人気のスポーツ根性ドラマ「サインはV」のパロディもあった。「メロドラマ」という言葉もその頃、知っていたかどうかははっきりと覚えていないが、ヒロインがしょっちゅう辛い目にあって泣いているような物語を女性が好むというのもなんとなく分かっていた。だから、そうした作品のマネをして面白おかしくしたものだろうと思っていた。
このパロディ元となったメロドラマが、「もーれつア太郎」の15年余り前、昭和20年代の終わりごろに大ヒットした「君の名は」だと知ったのはずっと後、おそらく社会人になってからだったと思う。